相手の話をオウム返し!バックトラッキングの心理学を営業現場で使う方法
社内でもたまーにあることなんですが、(頑固上司や怖いお局様など)と話していて、ことあるごとに「いや、そーじゃなくて」とか「それは違うでしょ!」と自分の話を否定される。
これって気分良いものではないですよね。
その人に対する印象も悪くなってしまうので、今後あまり会話をしたくないと思ってしまいます。
普通、人は自分の話を聞いてもらいたいですし、共感してもらいたい生き物です。
関係性が薄い付き合いの人や、関係をこれ以上深める必要が無い人であればやり過ごすことは出来ますが、これが得意先の担当者や社内でも繋がりの強い上司や同僚だとそうはいきません。
出来れば良い関係性を保ちながら、今後もお互い気分を害することなく付き合っていきたいものです。
こんな時に活躍してくれる、ちょっとした心理学のネタがあります。
それが「バックトラッキング」というもの。
バックトラッキングとは「オウム返し」のことで、相手が言ったことをそのまま返すことです。
例えば、
「暑いよね〜」
と言われ、自分が寒がりで暑くないからと
✖︎「いや涼しいですよ。」
なんて答えたら相手は気分を悪くしてしまいます。
○「暑いですよねー、アイスでも食べたいです笑」
と答えれば、共感したことで悪い印象は持たれませんし、少しのユーモアもあってその後の会話も進みます。
まずは一旦、相手の言ったことを受け止めて、オウム返ししてみることで、相手は「自分の話をよく聞いてくれる」または「しっかりと理解してくれている」と感じます。
僕の営業現場での実例です。
「君の会社の製品、良いんだけど高いんだよね。」
と言われたことがありました。(というか良く言われる)
確かに競合他社に比べれば1割ほど販売価格は高いですし、他社がやるような値引き策も取れない状態だったので、市場では当社の製品は「高い」という評判はありました。
そこで僕が、
「いや、そうですけど、実は〇〇という特徴が他社になくて…」
などと、すぐにメリットや他社にない優位な点を話そうとしても、相手の頭の中の「高い」という感情は消せません。
なので、
得意先:「君の会社の製品、高いんだよね。」
僕:「高いですよね、他社でも言われたことあります…」
得意先:「そうでしょ、良い製品だというのは分かるんだけどね。」
僕:「良い製品は嬉しいです!」
得意先:「もう少し値段なんとかならないの?」
僕:「値段ですよね、厳しいのには変わりないんですが、それに関しては少し理由があるんですよ。」
得意先:「え、なに?」
僕:「実は当社の製品は他社に比べて耐久性があるんですが、その理由が〇〇という部品の構造にあるんです。この部品は消耗品なので、いずれメンテナンスの時に交換が必要ですが、実は、旧型から今の最新型式まで共通のものを使用しているんですね。これはお客様にとってメリットの話になるんですが、消耗品が型式問わず共通なので、長年に渡って修理がききます。ということは、今後、製品を買い替えるサイクルが他社に比べて長いので、導入して数年後のランニングコストが非常に低く抑えられるんですよ〜。」
(※産業機械なので導入したら最低20年使用、その間メンテナンスするのが基本の業種です)
などど、「高い」と言われたら同意し、「良い製品」だと言われたら同意し、「良い製品」というキーワードからその理由を伝える流れです。
「高い」と言われて「いや実はですね…」と、いきなり理由を話し始めるより、相手が聞く気になっています。
このように、相手の主張に対して否定の感情があったとしても、一旦うなずく、オウム返しで受け止めるバックトラッキングを活用してみてください。